ブロックチェーン技術とは?
ブロックチェーン技術とは取引データをブロックと言われる形式にまとめ、そのブロックを時系列順に、チェーン(鎖)が連なるように保存するという技術です。

このブロックひとつひとつには直前のブロックを元に導き出されたハッシュ値というものが書き込まれています。
これによりデータブロックチェーンの改ざんが行われるとハッシュ値の整合性がとれないため瞬時に発見することが可能です。
ブロックチェーンは取引データを複数のシステムに分散し保存・管理する「分散型台帳」と言われる新しいデータベースです。
ブロックチェーンのシステムは単一ではないため、一部のシステムがトラブルなどで停止してしまってもブロックチェーン自体はそのまま稼働することが出来ます。
ブロックチェーンの仕組み
ブロックチェーンは大きく分けて3つの仕組みによって成り立っています。
P2P通信
1つ目はP2P通信と呼ばれるもので、複数人のPCやスマホといった端末で情報を共有する技術のことです。
一般的に私たちが使用しているシステムやソフトウェアは、クライアントやサーバーという主となる役割を担う端末に申請することで情報を提示してもらっています。
しかし、P2P通信では端末が特定の役割を持っているわけではなく、それぞれの端末が平等に情報を共有することでデータ処理の負担を減らしています。
複数の端末に分散してデータを記録・管理するため、1つの端末でトラブルが起こっても他の端末でカバー出来るようになっていますが、逆に分散するとリスクが高まる一元的なデータなどの記録・管理には向いていません。
暗号技術
ブロックチェーンのセキュリティを高めてくれるのはハッシュ関数と公開鍵暗号方式です。
ハッシュ関数はデータを不規則な文字列に変換することを指し、変換後の文字列をハッシュ値と言います。
ハッシュ値は直前のブロックを元に導き出されるものであり、元データが少しでも違えば全く違うハッシュ値になります。
次に公開鍵暗号方式のセキュリティには秘密鍵と公開鍵を使用します。
流れとしては、まず秘密鍵を使って公開鍵を作ります。
次に公開鍵でデータを暗号化し、最後に暗号化されたデータを秘密鍵で復元するというものです。
このように秘密鍵を軸として暗号化と復元を行います。
秘密鍵を持っていなければ暗号を解くことが出来ないので、なりすましや盗聴などからデータを守ることが出来ます。
コンセンサス・アルゴリズム
コンセンサス・アルゴリズムとは複数人が持つデータを正しいと判断するための仕組みです。
この仕組みでは追加されたデータが正しいものであると判断するために、あらかじめどの結果になれば正しいのかを決めておくことができます。
ブロックチェーンではデータが日々追加され、新しく構築されていきます。
ブロックが増える、変更されるといった場合、追加されたデータが正しくないと判断出来ればデータの改ざんを疑うことが出来ます。
そして、コンセンサス・アルゴリズムではその時の状況によって何を正しい答えにするかが変わってきます。
ブロックチェーンのメリット
ブロックチェーンのメリットの1つは改ざんやハッキングに強い点です。
先にも述べた通りブロックチェーンのデータを改ざんすると直前のブロックのハッシュ値との整合性がとれなくなります。
改ざんを成立させるには後続するブロックのハッシュ値も全て書き換える必要があり、困難を極めます。
このセキュリティの高さがブロックチェーンの大きなメリットです。
もうひとつは取引の信頼性や透明性が高い点です。
ブロックチェーンで保管されているデータは個々のシステム内で保管されているため、誰がどんな取引をしたかをそれぞれの利用者が確認出来ます。
そして、データの改ざんがあればハッシュ値の異常で不当な取引が発覚します。
このようにブロックチェーン上では取引の透明性、信頼性が非常に高くなっています。
ブロックチェーンのデメリット
ブロックチェーンのデメリットは処理速度とスケーラビリティに課題があることです。
ブロックチェーンで用いられているP2P通信は複数の端末を接続するため、スペックの低い端末が接続されてしまうとシステム全体の処理性能が低下し、それに伴って処理速度も遅くなってしまいます。
ブロック数を減らせば処理プロセスも減るので処理速度を上げられますが、その分ハッキングや改ざんに弱くなってしまいます。
この処理速度と耐障害性の密接な関わりがブロックチェーンの課題です。
また、ブロックチェーンを利用する人が増えると、同時にデータの量も増えるため処理速度の低下を招きます。
これを防止するためにブロックサイズを大きくするという方法がありますが、この方法ではスケーラビリティに問題が生じ、取引エラーが増えるという事例もあります。
ブロックチェーンの応用例
ブロックチェーンはビットコインをはじめとする仮想通貨だけでなく、大手企業のソニーでは音楽の権利などの重要な情報を管理するため、銀行などの金融機関ではセキュリティトークンとして活用されているようです。
このようにブロックチェーンは仮想通貨に限らず、金融や物流の様々な場面で利用されています。